あまいにおい

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  • 思い切り世界が壊れる音がしてアップルジュースゼリーの豪雨

げんちゃん。「思い切り世界が壊れる音がして」という上の句だけずっと眠っていたのと、これはげんちゃんで詠みたいなあ・・と何となく思っていたので、勇気を振り絞って頭で行ってみたやつ。推敲は結構重ねた。爽やかなシャッキリ感とやさしくて甘い香りを持つりんご、どんな形にも変化できるゼリー。常に勢いを持ってグループに流れを持ってきてくれるげんちゃんだからこそ、の歌に見えていたらいいな。


  • 底抜けに明るい顔で笑ってる いちごシロップ入りの喉飴

しずやくん。これは推敲も何もなしで、しかもいちばん最初にできた歌。わたしはしずやくんのメンカライエローに固執しているとこがあってほんとうはそこも絡めたかったんだけど、この歌が詠めた時に「これしかない」と思えてしまったので、何も変えずにいます。上の句の「底抜けに明るい顔で笑ってる」のところをよむと、すぐに 大きな口を開けて顎をちょっと上げて目を細めながら大笑いしてるしずやくんの顔が思い浮かぶ。いつも笑っていてくれてありがとう!


  • ぼくたちはハニーミルクを分け合って愛の標を建設中です

松倉海斗さん。(ハニーミルク・・・似合うな・・・・?)から始まってこの歌になりました。やわらかくてとろみのある甘さが似合う。「ぼくたちは」の”ぼくたち”が誰を指しているのかは見てくれた人のそれぞれの感じ方で受け取ってほしかったから、敢えて対になる歌を詠まないことにした部分がいちばん気にしたところかなあとおもう。あらゆる関係性を愛していきたいです。それとわたしは、まちゅの歌を詠もうとすると必ず「愛」ということばが入ってしまうくらいには、まちゅに愛のイメージがあるよ。ラブのひと。


  • 踏切の停止バーにかぶりつく ああこれは君の好物じゃない

みやちかさんは まちゅの「愛」と一緒で、何となく毎回「闇」っぽい歌になってしまう。でもそれと表裏一体なのか、みやちかさんはすごくすごく深いところに気持ちがあると思っていて。わたしは、そういうところが物凄く好き。一番分かりやすそうなのに、実は何も分からない。伏線ありすぎ、みたいな。
みんなが帰った後の夏祭りの帰り道、踏切の手前でひとり佇む人とその片手にぶら下げられたカラースプレーのかけられたチョコバナナ。そういうときの表情って、そこにすべてがつまっている気がします。


  • 想い出のコンポートならこの僕が一生懸命承ります

「のえるくんに包まれたい。あったかいところにとじこめられたい。」みたいなとこ、ある。わたしはそれがのえまるだと思っていつも読んでいます。
コンポートって果物の保存方法のことなんだって(諸説明あり)。ジャムよりも果実自体の食感や風味も残っているものらしく「あら、なんだかそれって、温度をずっとそのままで届けてくれるのえまるみたいですね」って。のえるくん丁寧なところが存分に詰まったらすごいあまあまになりそうだけど、実際はそれがちょうどいいのかもしれない。


  • こぽこぽと無秩序ですね 適当にも並べなかったいのちを飲み干す

うみちゃん。
メロンソーダを最後の最後まで全部飲み干したいから、ちょっとずずって音を立てて飲む感じ。「そういうもんなんだろうけど、炭酸の泡って並ばないよなあ」って誰に言うまでもなく、密かに思ってそうなうみちゃん。泡が気になって、人の話を聞かずにストローの先っぽで泡を集めてそう。(うおう偏見がすごい。)
「ぽこぽこ」ではなく「こぽこぽ」という音にしたのは、こもってそうな音にしたかったからです。音を反対にするだけで、どうしてこうも一気に印象が変わるんだろうか。


  • 銃口にキャラメル詰めて今すぐに私の心臓ごと打ち抜いて

心臓にぶつかったら、そのまま体内に溶けていく仕様のキャラメルでお願いします。しめちゃん。
ずっと残る、よく分からない類の甘さだと思う。「こんなに気になるってことは、あれわたしって、もしかしてこれ好きなの・・・か?」ぐらいの感触からはじめたい。最初がどういう感触にしろ、結局「心地いいな、ふむふむ」に収まりそうだし(そこから一生抜けられないが)、秒単位で異なる魅力をみせてくるしめちゃんが狙いをすましたならそれはそれはすごい破壊力を叩き出しそう。打ちのめされたい。